誰もが理解したいボイストレーニング

3番ウッドを持つと普段は緊張するのに、すごく気持ちが落ち着いていた。
スイングもスッと始められた。 乗せる意識がなかったからなのだろうか。
「それもあるでしょう、でも、その前に心の準備ができていたからでは?」Wさんはそういった。 第2打でピッチングを持った時点で、第3打がロングショットになることは確定していた。
だから慌てず騒がずの心境で打てた。 このように行動の予測ができ、心が落ち着けると、好結果が出るものだとWさんはいうのだ。

「あの第2打を5番アイアンで打ったとしましょう、草の抵抗を大きく受けてピッチングと同じ距離しか飛ばなかった、とすると、第3打を同じ場所から同じ3番ウッドで打ってもミスする確率が高くなっていたと思います」5番アイアンで飛ばせれば第3打は短いクラブで打てると予測する。 その予測が崩れると、心の中に焦りが生まれる。
『予想外に長い距離が残った』『飛ばなかったミスを取り戻そう』そう思うから緊張感が増す。 最初から200ヤード以上の第3打を想定するより、ずっとプレッシャーが強くなる。
「でもミスしても100ヤード飛ぶなら、より飛ばせる可能性がある5番のほうがいいといえませんか?今まで僕はそうしてきたんですけど・・・」Iさんの言葉にWさんはこう答えた。 「5番を持って、本当に100ヤードしか飛ばなくてもいいと思えるでしょうか?」それなら最初からピッチングでいいはずだ。
5番を持つのは飛ばせる予測をしているから。 だから100ヤードしか飛ばなければ『うまく打てなかった』という後悔が残る。
その心理が、次のショットに少なからず負担をかけてくるのだ。 それを避けるには、やさしいクラブを使うほうがずっといいはずだ。
この言葉には説得力があった。 何よりそれでバーディーがとれたし、それをしなかった前半は悪循環でトリプルボギーを量産していたからだ。

Wさんがラフから刻んだあとの寄せをうまく打てるのも、あらかじめ予測していた行動だから、ということになる。 「さすがにアスリートゴルファーはすごいことを知っているんですね」Iさんはそういって感嘆した。
「実は若いときに教わっていた人に、いつもこういわれていました。 『ひとつずつのショットを、ミスをしないように大事に打て。
スコアはそれに自然についてくる』とね。

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